インデラルとは?:あがり症の身体症状を和らげるベータ遮断薬

インデラル(Inderal)は、有効成分として「プロプラノロール(Propranolol)」を含有する医薬品です。これは、「ベータ遮断薬(β-blocker)」と呼ばれる種類の薬剤に分類されます。

● ベータ遮断薬とは? 私たちの体には、ストレスや興奮を感じたときに働く「交感神経」という神経があります。この神経が活性化すると、心臓のドキドキ(動悸)、手の震え、発汗、血圧上昇といった身体反応が起こります。ベータ遮断薬は、この交感神経の働きを伝える「ベータ受容体」という部分をブロックすることで、アドレナリンなどの刺激が心臓や血管に過剰に作用するのを和らげます。

● 本来の主な医療用途 プロプラノロール(インデラル)は、本来、以下のような疾患の治療や予防のために医師の管理下で処方される医療用医薬品です。

 ●高血圧症
 ●不整脈
 ●狭心症
 ●片頭痛の予防
 ●本態性振戦(手の震え)

● 「あがり症」や社交不安障害への効果 インデラルが「あがり症」や「社交不安障害」の身体症状に効果があると言われるのは、そのベータ遮断作用によるものです。人前で緊張すると、心臓がドキドキしたり、手が震えたり、声がうわずったり、汗が止まらなくなったりといった身体症状が現れます。これらの症状は、さらに不安を増幅させ、悪循環に陥ることが少なくありません。

インデラルは、これらの身体症状を和らげることで、緊張している人が「もっと冷静に振る舞える」と感じる手助けをします。これにより、身体的な不安が軽減され、結果として心理的な不安も緩和されることがあります。つまり、根本的な不安そのものを治療するわけではなく、不安によって引き起こされる不快な身体反応を抑えることで、パフォーマンスを発揮しやすくする、という使われ方がされることがあります。

● 処方箋不要で通販サイトで購入できる

日本ではインデラル(プロプラノロール)は医師の処方箋が必須な医療用医薬品です。しかし、一部の海外医薬品を取り扱う通販サイト(「個人輸入代行サービス」と呼ばれる形式)を通じて、日本の処方箋なしで入手できる場合があります。

これは「個人輸入」という制度に基づいています。個人輸入とは、自分自身が使用する目的で、海外から直接医薬品などを購入することです。個人輸入代行サービスは、その複雑な手続き(海外サイトでの注文、支払い、国際配送、税関手続きなど)を代行してくれる業者です。